1月は、議員にとって、地元の新年会を廻り、顔を売る大事な月です。かつては、国会も新年会シーズンのピークは、開会されず、1月下旬、2月初めに開会されていた時期があるそうです。今国会も1月19日からスタートしましたが、民間と違い、1月の中旬からスタートする理由は、そんな所にあるのかもしれません。私自身も地元の方々に、再度、国政を目指すことを伝えるために、数多くの新年会に参加させて頂いています。
余談ですが、地元選出の民主党衆議院議員は、イラクへの自衛隊派遣の国会承認議決が行われた1月30日にも(本会議決議は31日未明)、国会を抜け出して、二葉の町会の新年会に顔を出されていました。
新年会に参加して、よく聞く話は、年金の問題です。多くの方が、今回の年金制度の見直しに関して不満を持たれています。また、将来の年金について心配をしています。年金問題に関して、皆さんの話を聞いて、政府・与党と認識の違いを感じる点があります。これは、公的年金の議論をする上で、重要なポイントです。それは、政府・与党がよく言うのですが、「年金は、若い世代の社会保険料を元に、受給者に支払われている。少子老齢化が進んだために、社会保険料負担を増やす必要がある」という説明です。これは、社会保険料を一種の税金のように捉えた考え方です。言い換えれば、年金を財政の一貫と捉えている訳です。それとは逆に、新年会で聞く話は、「今まで、社会保険料を払ってきたのに、何で受給額が減るのか、おかしい」という話です。これは、公的年金を生保、信託銀行が提供する私的年金と同様に金融商品と捉えている考え方です。
本来、公的年金は財政の一貫として扱われるべきなのか、金融として扱われるべきなのか、この点、認識をハッキリさせることが年金議論を始める上で重要です。
私は、国民年金のように、月額1万3千3百円を25年間支払えば総額399万円に対し、65歳から生涯毎月6万7千円貰える基礎年金的な年金は、財政の一貫として扱い、将来的には、消費税等で賄うことが理想であると考えます。
そして、厚生年金のような、年間収入の13.35%を、1/3は国庫負担で、残りを労使折半で社会保険料として収める年金(現行)は、金融として捉え、運用実績に基づいて、支給額が決まり、将来支払われるような年金として扱うことが良いのではないかと考えます。勿論、運用実績によって支給額が変動する訳ですから、リスクはある訳ですが、国庫負担や、労使折半、また、生涯支払われる点で、私的年金より有利な訳ですから、国民の納得は得られるはずです。また、大企業の東京一極集中の問題が障害となりますが、将来的には、この様な年金は社会保険料の徴収、運用を都道府県に任せて、差別化を図り。地方に年金運用の雇用機会を増やすことなども検討に値するのではないかと考えます。米国カルフォルニア州のカルパースのように運用実績の良い地域への人口移動も起こるかもしれません。
公的年金を、財政、金融どちらとして扱うかというポイントは、実は、先日、慶応大学で行われた、榊原英資慶応大学教授(元大蔵省財務官)の講演で教えて頂いたポイントですが、政府・与党の考え方と、新年会に参加されている方々の考え方の違いを理解する上で、的確な説明でした。
榊原教授は、年金の運用についても、何故、役人が、道路関係四公団や、グリーンピア等の公共投資に投資していたかの理由を挙げていました。それは、インフレ社会が続くと役人は考えていたために、インフレが金利上昇以上の水準で推移するのであれば、国債といった金融資産として年金資金を保有していた場合、実質価値が減少してしまう。それなら、道路や保養施設といった現物投資に回した方が、将来、建設する必要があるのなら、有利であると考えたので、これも仕方ないことだという説明でした。
確かに、オイルショック後のインフレ時代であれば、そういう考え方もあったかもしれませんが、デフレ社会が続く現状、もはやこれ以上、道路や、保養施設などに年金の資金を注ぎ込む時代ではありません。基礎年金以外の部分は、金融として捉え、運用の責任を明確にしていくことが、デフレ社会の中では重要であると私は考えます。
1月の国会を振りかえると、イラクへの自衛隊派遣について、サマワの評議会が解散した、解散していないで国会が空転したり、古賀潤一郎議員の学歴詐称問題で、与党が民主党を批判したりと、戦後日本史を変える自衛隊派遣と言う大事な局面でどうも低俗な議論しかなされていないように感じます。
イラクへの自衛隊派遣については、「危険なところじゃなきゃ、自衛隊なんて派遣しない」と誰もが当然考える筈です。日本は、既にテロの危険のある場所に、自衛隊を派遣することを決めた訳です。それは、1月のHPにも記載した理由で、第一に、イラクの復興支援が、中東のエネルギーに多大に依存している日本の国益に直結するから。そして、第二に、三十数カ国の国が既に、イラクの復興支援のために軍隊を派遣しており、日本の人的支援が、国際社会における責務となっているから。更に、第三に、我が国の安全保障の面からも日米同盟を揺るぎ無きものにするために、イラクにおけるテロ掃討、治安回復に努力している米軍への支援が必要だからです。
米国や英国では、イラク戦争開戦時に、大量破壊兵器が無かったのではという問題が議論を呼んでいますが、日本でこの問題を今、議論することは詮無いことと考えます。それは、日本に、イラクに大量破壊兵器があったか、無かったか、そのことを調査する情報機関も、偵察衛星を駆使する能力もないからです。結局、米英の結果を待つしかないのです。そういう国が、イラク戦争を支持し、自衛隊派遣を決めた訳ですから、今はどの様に、イラク復興のために国際社会の一員として貢献出来るのかといった点を前向きに検討することの方が重要と私は考えます。
新年会も、国会議員にとって重要でしょうが、与党、野党共に、学歴詐称や、評議会の有無で足の引っ張り合いを行うのではなく、前向きな議論を行い、その内容の賛否で、争うことが求められているのではないでしょうか。私は、そういう国会議員を目指し活動して参ります。
平成16年2月 石原ひろたか