2月は暦上の春の始まり、"立春"を前後に、節分と初午といった行事があります。昨年サラリーマンから身を転じ、地元の方々との行事に触れる中、"立春"の後、最初の午(うま)の日に、稲荷神社で行われる"初午"の行事というものを知りました。
今年の"初午"は2月8日。私も旗の台稲荷通り商店街のお稲荷さんの初午に参加させて頂きました。町内会、商店街のお歴々に混ざって、玉串の奉納をさせて頂き、餅つきもさせて頂きました。
旗の台稲荷通り商店街のお稲荷さんの初午行事に参加して、感心したことは、もち米を蒸かす人、餅をつく人、ついたお餅で、あんころ餅や、黄な粉餅や、納豆餅、お雑煮を作るご婦人方と、役割分担がしっかりされており、手際良く行われていることです。また、薪を使ってもち米を蒸かす場所には、高校生ぐらいの男の子が二人いて、将来、彼らがもち米を蒸かす役割を担ったいくのかな、日本の文化もしっかりと受け継がれているんだななんて感心していました。
国政の場で2月は、参議院でもイラクの自衛隊派遣が承認され、陸上自衛隊の本体も2月末にはサマワに到着し、いよいよ本格的な支援活動が始まろうとしています。また、具体的な進展はなかったものの、北朝鮮問題については、2月上旬には北朝鮮への経済制裁を実施するための新外為法が制定され、中旬には外務省による日朝交渉の再開、そして、2月28日に終わった六カ国協議と、一定の進展がありました。私自身、2月は外交問題中心の月であったような感じがします。しかし、いよいよ3月は、道路関係4公団の民営化問題といった国内重要法案の議論が始まろうとしています。
これからの国内重要法案を議論する上で、その背景となっている日本の現状を良く踏まえる必要があると私は思います。
日本はバブル崩壊以降、景気回復のために行われた財政拡大により、国・地方を併せた借金は700兆円を上回り、特定独立行政法人向けの政府保証付の借入等を含めれば公的部門の借金は1,000兆円を超える規模となっています。
更に、近頃、マスコミでも問題視されているのが議会の承認が必要な一般会計と違い、国会の承認が不要な特別会計予算です。特別会計予算は、一般会計予算約80兆円の、約4倍の300兆円を超える規模まで増大しています。
GDPに占める政府支出は、他の先進国が2〜3割に対し、日本は雄に5割を超えているのです。すなわち、バブル崩壊後景気対策とは言え一般、特別両会計におけるケインズ的な財政拡大により、日本の社会主義国家化が急速に進んでしまったのです。
特別会計予算の原資には、揮発油税、地方道路税といった目的税(特定財源)だけではなく、郵便貯金や年金基金が利用されています。将来回収が難しい無駄な投資に目的税以外の資金が廻っているとすれば、郵貯や年金基金の一部が不良債権化します。その部分を国が保証するといっても、その原資は、結局税金で賄われる訳ですから、つけは国民に廻ってくるのです。
国は簡単に破綻しません。それは、増税という形で国民に皺寄せ出来るからです。財政の行き詰まりは、既に発泡酒に係わる酒税の引き上げ、たばこ税の引き上げ、配偶者控除の廃止、更に医療費の自己負担率の2割から3割への引き上げ、厚生年金の社会保険料の引き上げ等、増税の形で現れてきいるのではないでしょうか。
その一方で、国民が不満に感じているのが、財政拡大により、特定独立行政法人や、そのファミリー企業はその恩恵を得て、民間企業の様なリストラを行うこともなく跋扈(ばっこ)しているという点です。
公的部門がしっかりとリストラし小さな政府化により、無駄な税金を使わなくなり、それでも、財政が苦しいのであれば、国民も増税の必要性を納得するかもしれませんが、その努力もせず、増税だけ進めては、大きな国民の反感を買うことになるでしょう。
道路関係4公団の民営化の問題も、こういった日本の置かれた状況を踏まえ、一人一人の政治家が既得権益にとらわれずきっちりと判断を下すことが重要であると考えます。
私が、政治家になったら、不採算な高速道路の建設は一切行いません。道路関係4公団のファミリー企業も清算し、民間に仕事を移譲して行きます。マクドナルドのような大手は、サービスエリアへの進出が可能となりましたが、中堅中小の飲食店が、サービスエリアに店を構えることは、引き続き可也難しい様です。素晴らしい商売の場をファミリー企業に独占管理させるのは、もはや何のメリットもありません。
一番はじめの話ではありませんが、初午の行事を手際良くこなす町内会や商店街の方々を見ていると、民間の力が、いかに素晴らしいか感じます。
「官から民へ」と政治家が言うなら、サービスエリアの仕事から道路公団のファミリー企業を一切締め出して、民間に移譲するくらいの思いきった目に見えた政策が必要です。民営化の結果として、サービスの質、利用料金など私達利用者にメリットが生まれるのは、国鉄からJR、電電公社からNTTへの市場原理の良き先例を見れば明らかです。
官の管理には「市場原理」の競争は存在しないのです。
お役人の抵抗というのは、国会議員の抵抗勢力以上に熾烈なようですが、心ある政治家が力を併せて、政治家自らも含め公的部門のリストラを進めなければ、この低迷した日本の明日は開けないと私は考えます。
平成16年3月 石原ひろたか