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活動報告

国民と本当に議論しなければいけないこと

 第163回国会は11月1日閉幕しました。28件の法律(内閣提出21件、議員提出7件)と2件の条約が、衆議院選挙後の特別国会で成立しました。言うまでもなく、衆議院選挙の争点であった、郵政民営化関連6法案も10月14日参議院にて成立し、郵政公社は2007年10月1日より民営化されることが決まりました。私は財務金融委員会のメンバーとして、「銀行法等の一部を改正する法律案(内閣提出第14号)」(銀行代理店業務を銀行の100%出資子会社だけではなく幅広く認め、デパートや、車のディラー等で、預金の開設や、個人ローンの申し込みを可能にする法律)の審議に携わり、自民党の議員の中で、只、一人代表質問に立ちました。(詳しくはこちらから発言者「石原宏高」を入力して動画をご覧下さい)

  国会議員となり始めて参加した国会を終え、思うことは「正に、先の衆議院選挙が日本の政治の大きな転換点となった」ということです。それは、「戦後60年を経過し、肥大化した官僚システムにメスを入れ、無駄を無くし、小泉首相が言う強くて小さな政府を作るための改革が、猛スピードで進み始めたのです」

  公務員の人数、人件費を減らす公務員改革、道路特定財源の一般財源化を含む特別会計の改革、8つある政府系金融機関の統廃合等、強くて小さな政府を作るための議論が猛スピードで進み方針が示されました。もはや、現状維持を主張する族議員は自民党から先の衆議院選挙を経て消滅したのです。道路特定財源の維持を主張していた古賀誠自民党道路調査会長が退任し、無駄な道路は造らないと主張していた前国土交通大臣の石原伸晃衆議院議員が道路調査会長に就任したことからも明らかです。また、批判の多かった議員互助年金制度も今年度(2006年3月31日)をもって廃止されることが、与野党間で合意され、来年の通常国家で法律が成立します。小さな政府を作るための改革は、多くの国民から支持されると考えますが、一方で、財務省を中心に消費税の引き上げといった更なる増税への準備が着実に進められています。しかし、増税への理解は、未だ、国民には得られていないと思います。日本の借金が膨大であるという説明に、国と地方の債務残高をGDP比で各国比較した数値がよく使われます(添付ファイル参照)

 日本は170%、他の先進国は60〜70%だと心配を煽るように説明されますが、しかし、各国共に債務と同様、債務の返済に充当出来る金融資産を保有しているのです。債務残高から金融資産を差し引いた純債務残高ベースのGDP比の各国比較では、確かに日本は他の先進国と比較しても増加傾向が顕著である訳ですが、2005年ベースで90.1%、イタリアの95.8%よりは下回っているのです。そうすると日本の財政は厳しいものの持続不可能とまでは言い切れないのです。もう一度、日本の債務残高が増加した要因を考えてみましょう。よく、野党は無駄な公共投資を行ってきた与党に責任があると批判しますが、財務省は債務残高が増えた要因として、(1)不況回避のための公共投資の増加、(2)景気回復のための減税、(3)社会保障費(年金、医療、介護)の増加と3つの要因を挙げています。(1)の公共投資については、既に小泉首相が就任した平成13年度の11兆円から平成17年度では7.5兆円まで減額されています。(添付ファイル参照)

 また、バブル崩壊後、企業が傷ついたバランスシートを修復するためにリストラや投資抑制を行う中で、日本の景気を失速させないためにも公共投資の増加は止むを得なかったと考える方が私は正しい判断であると思います。今回、平成18年度の税制改正で、定率減税、IT促進減税、研究開発減税といった小渕内閣が実施した減税措置を廃止、縮小することが決まりました。これも前述の債務を増やした理由(2)を解消しようという考えからです。そして、(3)社会保障費、特に医療費、介護費の増大を賄うために消費税の増税を行うというのが財務省の考えなのです。

 厚生労働省の試算では、平成16年度(2004年度)の医療給付額(医療費の保険料、国庫補助で賄われる部分)26兆円が、平成37年度(2025年度)には59兆円なるとしています。しかし、この試算は、過去の老人医療費の伸びが年率3%強、一般医療費の伸びが年率2%強で増加してきたことから、その伸び率をそのまま使用し、2025年の人口構成比で試算したものです。(添付資料参照)

 しかし、本来の医療制度改革というのは、過去の伸びを抑えることであり、過去と同じ伸びをするから消費税を上げるというのでは、国民の理解は得られません。医療制度改革の議論の中で、老人医療費の自己負担部分拡大(現状1割→2割、高所得者2割→3割)、診療報酬の引き下げ(▲3.4%)が提示されていますが、これは、本当の改革と言えません。今までの伸びを抑制することが、真の医療制度改革のはずです。医療技術が目まぐるしいスピードで発達し、薬品や医療機器の値段が上がってしまったのが、医療費が増加した唯一の原因であれば、高度な医療を受けるための高負担も仕方ないことかもしれませんが、それならそうとそのことを国民に詳しく説明する必要があります。私は、未だ、無駄もある気がします。その観点から、12月1日に纏められた医療制度改革大綱の中で、診療報酬のレセプト(請求)を2011年度初頭までに、完全電子オンライン化するという方針は、本当の意味での医療制度改革に繋がると思います。

 レセプトを電子化することで、診療報酬の中身を容易に吟味することが出来、例えば、めったに行われない検査や薬の投与を行っている病院を指導することが可能になり、結果、医療費を抑制出来ます。また、疾病の広がり、例えば、インフルエンザが西から東に広がってきていることを把握し、病気の広がりを水際で止めることも論理的には可能になるのです。

 政府の財政再建の目標となる2010年代初頭におけるプライマリーバランスの一致(公債金収入以外の租税等収入と公債費を除く歳出との財政収支の一致)だけでは、国債発行額を元利払いの返済に合わせるだけで、積み上がった債務はそのまま残ります。国の負債を減らす目標は議論されることなく、飽くまでこれ以上増えなければよいという考えなのです。本当にそれだけ良いのでしょうか?2006年の6月までに、政府は歳出・歳入の抜本的な改革案を提示し、中長期の財政再建策を提示することになっていますが、その段階で私は、現状の債務を何処まで減らすべきかを国民に示す必要があると考えます。その点を踏まえて消費税の議論をすべきです。私は、国民負担を増やすような無駄な増税は反対ですが、より良い国を創る為に必要な増税は国民としっかり議論すべきだと考えます。江戸時代には、徳川綱吉の贅沢な時代の後に、吉宗の享保の改革に代表される質素倹約の時代がありました。しかし、その後には、また、田沼意次の贅沢な時代があり、そして、松平定信の寛政の改革と質素倹約の時代があったのです。バブル期が贅沢な時代であれば、正に、現在は質素倹約の時代です。しかし、やがて、また、繁栄の時代が訪れるのです。時代は繰り返されるのであれば、今、我々の子供や孫のために、財政再建の議論を真剣に議論することが国民と本当に議論しなければならないことであると私は考えます。2006年は、平成の改革の骨格である財政再建の議論を始める年であり、これからもこの問題を取り上げ、新たな情報をお伝えすると共に、皆様と共に議論して行きたいと考えます。

平成17年12月 石原ひろたか

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