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活動報告

行政手続きの電子申請の普及への取り組みについて

 昨年の特別国会より、金融マンとしての経験から財務金融委員会のメンバーに選ばれ、銀行法の一部を改正する等の法案の審議、そして今国会では、所得税法等の一部を改正する法案の審議に参加しておりますが、こうした国会での政府委員としての役割だけではなく、自民党の代議士として、幾つかの党務も担っています。
  現在、政務調査会の IT 化・情報通信の推進を目的としている「 u-Japan 特命委員会」や、文部科学部会の小委員会「学校評価委員会」、また、国際局の次長として外国から来賓への応対などの様々な活動をしています。

  今回の月例報告では、党の活動の中でも新時代に向けた新しい分野である u-Japan 特命委員会において、昨年来より検討してきました「行政手続きの電子申請普及への取り組みについて」報告させて頂きます。
  政府は森総理の時代から、電子政府の実現のために、年間約6千億円の IT 投資を行ってきました。しかし、その一環の行政手続きの電子申請については、あらゆる手続きについて、パソコンからの電子申請の手続きを可能としたものの、全体の利用率は残念ながらまだ 11% と大変低い状況となっています。政府は IT 戦略会議において、 平成22年度( 2010年度)迄に、電子申請の普及率を全体で 50 %に引き上げることを謳い 、 3 月末迄に各省庁がその計画を策定することになっていますが、 u-Japan 特命委員会で御三家と言われる、法務省の「不動産等の登記手続き」、国税庁の「税務申告の e-Tax 」、厚生労働省の「雇用保険等の電子申請」の普及計画を聞くと惨憺たるもので、 u-Japan 特命委員会のメンバーが一同感じることは、このままでは、今まで投資したシステムの利用率が低く、正に IT のグリーンピア になってしまうというものです。余談ですが、このグリーンピアとの表現を私が委員会で、惨憺たる現況を危惧し、役人に年金問題で話題になった社会保険庁の無駄な投資であったグリーンピアの二の舞になるぞとの警告と、皮肉をこめて使った表現です。

 御三家の代表される電子申請取引のヒアリング時の普及計画は以下の通りです。

【 法務省 】

手 続 名

平成16年度実績

平成20年度の目標

年間申請件数

オンライン

利用件数

利用率

オンライン

利用件数

利用率

不動産登記の申請手続

18,595,000

16

0.08%

21,000

0.13%

不動産登記に係る登記事項証明書の交付請求手続等

284,049,000

22,659,597

8.4%

51,310,000

18.06%

商業・法人登記の申請手続

2,100,000

1,487

0.73%

141,000

6.71%

商業・法人登記に係る登記事項証明書等の交付請求手続等

79,142,000

6,190,646

8.35%

17,880,000

22.59%

1件あたりコスト
平成16年度予算ベース  43億円÷3,778万件≒114円
これまでの予算総額  10.8億円÷1,776万件≒61円

【国税庁 】

手 続 名

平成16年度実績

平成20年度の目標

年間申請件数

オンライン

利用件数

利用率

オンライン

利用件数

利用率

国税申告手続(所得税、法人税、消費税)?

21,302,000

52,838

0.25%

平成19年度実績の120%

 

1件あたりコスト
平成16年度予算ベース  90億円÷88万件≒102万円
これまでの予算総額  402億円÷177万件≒227万円

【厚生労働省】

手 続 名

平成16年度実績

平成20年度の目標

年間申請件数

オンライン

利用件数

利用率

オンライン

利用件数

利用率

健康保険・厚生年金被保険者資格取得届、船舶保険・厚生年金被保険者資格届

5,137,588

787

0.015%

※磁気媒体プログラムを利用する電子申請では、複数人分を一括申請するため、利用事業者数 / 適用事業者で算出する

20%

雇用保険被保険者資格取得届

7,604,598

1,422

0.019%

2,167,500

30%

1件あたりコスト
平成16年度予算ベース  27億円÷※5500件≒5億円
これまでの予算総額  110.7億円÷※5700件≒2億円
会社、事業所などからの同一、複数の申請は一件と扱う

 この様に、御三家全て主要な電子申請取引で、普及率 50 %を挙げている省庁は無く、国税庁に至っては、平成19年度の 120 %といった数値を提示しない、到底受け入れられない体たらくの状況です。
  財政の再建において、政府の無駄を無くし、政府保有の資産すら売却し、何としても財政の健全化を図らなければならない時に、今後、運用経費だけで数十億も、税金を投入する電子申請システムが、こんな悲惨な普及率では導入目的に対し本末転倒となり、国民の理解が得られません。そこで私達 u-Japan 特命委員会では、この状況を打破する試みとして、中川政調会長を筆頭に党として 2 月 15 日に安倍官房長官宛申し入れ(別添ファイル参照)を行い、各種窓口・行政手続きなどのオンライン化を進める具体策として、次の 4 点を提案しました。

各種窓口・行政手続きなどの
オンライン化を進める具体策

1:電子申請の添付書類の原則省略
2:本人確認などの電子署名の簡略化
3:インセンティブ(減税措置、申請期限の延長、手数料の軽減等)の付与
4:入力画面などのシステム改善

写真:安倍官房長官へのU−Japan特命委員会申し入れ 2006.2.15

 その後、我々の努力が実り、やっとのことで御三家の重い腰を上げさせ、内閣府の担当官から、 3 月 13 日に3月末に取り纏められる各省庁の「行動計画」の概要について、報告がありました。その内容は以下の通りです。

行動計画(案)の概要

<オンライン利用率>
実績→11%(平成16年度末)
目標→28%(平成20年度末、当初案は16%)

登記、国税、社会保険・労働保険につき下記取り組みを行いそれぞれ平成22年度末までに50%以上の達成を目標とし以下実施・検討

<具体案>

登記(年間約3.9億件)

?「登記事項証明書の交付請求等手続き」につき重点的に取り組む(併せて、登記情報提供サービス料の値下げに取り組む)

?司法書士等(不動産登記、商業・法人登記申請等)からのオンライン利用の推進

?登録免許税の引き下げを検討

?全国登記所のオンライン化の推進(平成20年度末までに)

国税(年間約1.5億件)

?法人消費税等手続きについて平成20年度末までに50%以上の達成を目標とする。

?電子署名の見直し、添付書類の省略についての検討

?各種インセンティブの付与等についての検討

税控除優遇、還付申告における処理期間の短縮(6週間→3週間、平成18年に実施)、確定申告期間の24時間受付(平成18年に実施)

社会保険・労働保険 (年間約1.5億件)

?事業者の需要が大きい手続きについて重点的に取り組む

?電子署名の見直しについての検討

?住基ネットの活用による手続き自体の省略
年金受給権者現況届(平成18年度)、被保険者氏名変更訂正届等5手続(平成22年度)

? 信頼性の高い事業主等からの届出について、添付書類の提出省略
(雇用保健関係1億5千万件の約7割が対象)

その他の取り組み

?その他32種類(年間約5億件、全体7%)や自動車保有関係手続5種類(年間約4億5千万件、全体6%)につき検討

?利用促進方策については平成18年度早期に実施。登記、国税、社会保険・労働保険についてはインセンティブの付与等の措置を引き続き検討。

?平成18年4月に設置される「電子政府」推進のための新たな体制、及び「電子政府委員会」の下でその促進と費用対効果の観点等から見直しを行う

 これらの報告を聞き、3月末に提出予定の各省の行動計画は、我々 u-Japan 特命委員会の趣旨に沿う形となりそうですが、提出後、 u-Japan 特命委員会では再度精査し、計画をしっかりと実行させなければなりません。そして、計画が上手く遂行されなければ、予算を凍結するなどの厳しい対応で役所に臨んで参ります。
  この電子化の目的は、マスコミなどに特に注目されていませんが、行政の手仕事を減らし、小さな政府化による支出削減で財政赤字に貢献することです。また、電子化の推進のより、国民の皆様にも、様々な税控除や還付期間の短縮などメリットも出て来ます。こうした、国民の生活に繋がる制度を形骸化させることなく、実現させることが、先の衆議院選挙で小さな政府を主張し、賛同を頂いた国民に対する責務として私は考え取り組んで参ります。

平成18年4月 衆議院議員 石原ひろたか

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