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活動報告

北朝鮮の核実験実施と安保理決議1718について

 ニューヨーク時間の10月14日(土)13時46分頃(日本時間15日(日)2時46分頃)、国連安全保障理事会は、10月9日(月)に北朝鮮政府が発表した核実験を非難し、北朝鮮に対し更なる核実験及び弾道ミサイル発射の中止、すべての核兵器及び既存の核計画の放棄等を義務づけると同時に、軍関連及び核関連の特定品目等の北朝鮮に対する供給等の防止、北朝鮮の核・弾道ミサイル及びその他大量破壊兵器(WMD)関連の政策に責任を有する個人の入国禁止、これに関与する個人・団体の資金凍結等を決定する内容の決議1718号を、全会一致で採択した。

今回の月例報告では、この安保理決議の内容と、今後の日本の対応について記述します。
《国連安保理決議1718の要旨》(本文は別添ファイル参照)

●前文において、

@国際の平和及び安全に対する明白な脅威の存在を認定。

A国連安保理が国連憲章第7章の下に行動し、国連憲章第41条に基づく措置をとることを明記。

B北朝鮮が国際社会の他の安全保障及び人道上の懸念に対応することの重要性を強調。

●北朝鮮により宣言された核実験を非難し、主に以下の事項の実施を北朝鮮に要求。

@更なる核実験及び弾道ミサイル発射の中止。

A NPT 脱退宣言の即時撤回、NPT及びIAEA保障措置への復帰。

Bすべての弾道ミサイル計画の関連活動の停止及びミサイル発射モラトリアムの再確認。

C完全、検証可能かつ不可逆的な方法によるすべての核兵器及び既存の核計画の放棄。

D完全、検証可能かつ不可逆的な方法によるすべての他の既存のWMD及び弾道ミサイル計画の放棄。

E軍関連、核・ミサイル・WMD計画関連の特定品目等の輸出停止。

●以下の事項を決定。

@すべての加盟国が、軍関連、核・ミサイル・WMD計画関連の特定品目、奢侈品等の北朝鮮に対する供給等を防止。

Aすべての加盟国が、北朝鮮の核・弾道ミサイル及びその他WMD関連の計画に関与する個人・団体の資産を凍結。

Bすべての加盟国が、北朝鮮の核・弾道ミサイル及びその他WMD関連の政策に責任を有する個人及びその家族の入国・通過を禁止。

Cすべての加盟国が、上記措置の遵守を確保するため、必要に応じ、自国の国内法上の権限及び国内法令に従い、かつ、国際法に適合する範囲内で、貨物検査を含む協カ行動をとることを要請。

●北朝鮮に対し、六者会合への即時無条件復帰及び2005年9月19日の六者会合共同声明の迅速な実施に向けた作業の実施を要請。

加盟国に対し30日以内に、制裁措置に関する対応について安保理への報告を要請

●安保理の制裁委員会を設置、制裁対象品目・個人のリスト作成、少なくとも90日毎の安保理への報告等を実施。

●北朝鮮の活動を絶えず検討し、必要とされる場合は、制裁措置の強化、修正、停止又は解除を含む当該措置の適切性について検討する準備があることを確認。

●追加の措置が必要な場合には更なる決定が必要となることを強調。

 今回の安保理決議は、7月のミサイル発射の時に採択された安保理決議1695号よりも、更に、幾つかの点で厳しい内容となっている。その第一が、 国連憲章第7章に言及している点である。そして他にも、貨物検査を要請している点や、人の移動を制限している点や、贅沢品の北朝鮮への供給を禁止している点等が挙げられる。

 その中で、現在、議論が高まっているのが、貨物検査、特に海上での貨物検査、所謂、船舶検査の問題である。決議上、貨物検査は要請( call upon )であり、決定事項( decide )でないことから、安保理加盟国に義務はなく、今後どの国が貨物検査、船舶検査を自発的に行うかが決まってくる。その中で、日本が自ら、どの様な法体系の基に船舶検査を行えるのか、どの様に行うのかで、与党内でも議論が交わされている 。

 ひとつの考え方として、周辺事態安全確保法・船舶検査活動法に基づいて、行うと いう考え方がある。 政府統一見解の周辺事態の認定の考え方の一例として 、「ある国の行動が、国連安保理によって平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為と決定され、その国が国連安保理決議に基づく経済制裁の対象となるような場合であって、それが我が国の平和と安全に重要な影響を与える場合」がある。正に今回の北朝鮮はこのケースが該当するから、周辺事態安全確保法・船舶検査活動法に基づいて、船舶検査を実施するのだという考え方であり、私はこの見解を支持している。

 しかし、この考え方に民主党の鳩山幹事長や、自民党内にも、「中国やロシアが、核実験をしたから、直ぐに周辺事態になるのか」といった中露と北朝鮮の政治を同等に論じるかのような馬鹿げた理由で、周辺事態を認めないとの声がある。つまり、 NPT や IAEA から脱退し、再三の国際社会からの忠告にも耳を貸さず、日本人を拉致し、偽札・麻薬、そして核開発を続けてきたテロ国家北朝鮮と、戦勝国の特権とは言え、 NPT や IAEA が出来る前から核を保有している現在の中国・ロシアとはまったく別次元の国であり、そのような事は国民誰もが分かることを、この様な発言を行い、政局にこの問題を利用しようとすることは、日本の安全保障という国民の生命を預かる政治家の責務として信じられない言動である。

 一方で、我が国の周辺事態安全確保法・船舶検査活動法に基づく、船舶検査にも大きな問題がある。それは、船舶の停船要請に不審船が応じても、船長等の承諾を得ないと乗船検査が出来ない点、更に、警告射撃や航行不能化のための武器使用は認められていない点である。防衛庁はそれでも効果があると答弁するが、国際社会の中で、このような問題点のある実効性に欠けた船舶検査が、果たして評価されるか甚だ疑問である。また、後方地域支援活動として、米軍のみの給油活動が認められているが、それも日本の領海のみで、公海での給油活動、米軍以外への給油活動は認められておらず、国際社会が北朝鮮に厳しく対応する活動に対し、その決議を促した日本は自国の解釈に縛られ、こうした場面で給油活動すらそっぽを向くことをどのように思われることか。

 そこで、特措法を制定して、公海での各国船舶への給油活動を可能とし、更に武器使用を認めた船舶検査を行うべきとの意見が出されているが、船舶検査に関しては、北朝鮮が安保理決議を宣戦布告と批判していることから、船舶検査を実施した場合、海上自衛隊と北朝鮮の不審船の間で、戦闘状態になる危険性があるので、日本は飽くまで船舶検査を行う他国の船の給油のみに参加すべきとの意見も出された。私は給油のみの参加では、国連で1718号決議をリードした議長国として恥ずかしく思うが、戦闘状況に陥る危険性のある船舶検査の実施については、国民の理解をしっかりと得る必要があると考える。北朝鮮の核開発で、最も危険に晒されている国は、間違いなく日本であり、東アジアの地政学リスクは大きく変化している現実に、我々は直視し、この問題を様々な角度から議論しなければならない。

 余り報道されていないが、安保理決議1718には、上記に記載した通り、 加盟国に対し30日以内に、制裁措置に関する対応について安保理への報告を要請されており、この報告期限に船舶検査の実施を報告するためには、我々に充分な議論の時間がないことも事実なのである

 政府は、30日以内の安保理への報告では、特定船舶の入港に関する特別措置法に基づく北朝鮮船舶の半年間の入港禁止( 10 月 14 日から来年 4 月 13 日まで)、外国為替及び外国貿易法に基づく北朝鮮からの貨物につき輸入承認義務を課す措置等を報告する予定であり、船舶検査については引き続き議論することになる。

 この問題は、日本の安全保障上、重要な問題であるので、今後も逐次、 HP上で私の考えも含め報告し、国民の安全の為に取り組んでゆきたい。

平成18年10月 衆議院議員 石原ひろたか

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