第198回 国会 衆議院 法務委員会 令和元年5月17日

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石原(宏)委員 自由民主党の石原宏高でございます。

 本日は、民法等の一部を改正する法律案、特別養子縁組の制度の見直しに関して質問をさせていただきます。

 少し前ですが、「はじめまして、愛しています。」というタイトルの、俳優の江口洋介さんと尾野真千子さんが主演するドラマで、特別養子縁組を扱うドラマがありました。特別養子縁組制度を扱っているドラマであり、珍しくて見ていたんですけれども、養子として受け入れる予定の男の子との悪戦苦闘、やがて心のきずなが生まれる内容は、本当に心の温まるものでありました。

 特に、男の子が居間に冷蔵庫の中身を全部ばらまいてしまうシーン。ジュースなんかは、ジュースの瓶から全部ジュースをばらまいてしまう、また、マヨネーズも全部ばらまいてしまうシーンがありまして、テレビに出てくる児童相談所の方が、それは養親が男の子を受け入れてくれるのか、男の子が試す行動であるという説明をするシーンがありまして、大変迫力があって、驚きを感じながらも、そういうことがあるのかなというふうに関心を持って見ておりました。

 身寄りのないお子さん、親の貧困や暴力によって実親と住むことができない子供がいる現状、子供のいない家庭等が特別養子として受け入れてくださることは、私は個人的にはすばらしいことではないかというふうに思います。

 こういう国会の場で余り自分の家庭のことを話すのははばかられるんですけれども、実は、私の父方の祖父は、祖母と結婚する前に違う方と結婚していて、男子を授かっておりました。ただ、残念なことに最初の奥様と祖父は若くして死別したものですから、その男の子は親戚の養子として育てられることになりました。でも、その方とは、名前を挙げるのはどうかはありますが、小川のおじちゃんと我々は言って、祖父の法事など、あらゆる機会でお会いして、仲のいい親類でありました。

 また、ちょっとお恥ずかしい話ですが、私が小学校の一年生のころ、私の父に、おまえは裕次郎の養子になってやれと言われて泣きじゃくったという話を、私が少し物心のついたころから聞かされたことがありました。

 そんな経験から、私は養子については余り抵抗感がなくて、むしろ、なぜ日本では、戦前は親戚が養子に受け入れることが一般的であったのに、今は少し違うのかなということに少し疑問を持っているのが事実でありました。

 少し前置きが長くなってしまいましたけれども、質問に入らせていただきたいと思います。

 まず、法務省にお伺いします。繰り返しになってしまうかもしれませんが、この特別養子制度の見直しの背景と意義についてお聞かせください。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 特別養子制度でございますが、専ら子供の利益を図るための制度でありまして、現に児童養護施設に入所している児童等に家庭的な養育環境を提供するための選択肢となり得るものでございます。

 また、近時の報告によりますと、例えば虐待を受けたといったような理由によって児童養護施設に入所している児童、そういった中には、特別養子縁組によって家庭と同様の養育環境において継続的に養育を受けられる可能性がある者もいるとの指摘がございます。しかしながら、特別養子縁組の成立件数は年間五百件程度にとどまっております。

 この点につきまして、児童相談所それから民間あっせん団体を対象としました調査の結果によりますと、選択肢として特別養子縁組を検討すべき事案であるのに、養子となる者の年齢の上限などの法律上の要件を満たさないこと等が原因で特別養子制度を利用することができなかった事案が、二年間で二百九十八件あったという報告がございます。

 また、児童福祉の現場からは、特別養子縁組の成立に必要な実親の同意が縁組成立の審判が確定するまでいつでも撤回することができるとされておりますために、養親となる者は、あらかじめ実親が同意している場合であっても、撤回されることを恐れて申立てをちゅうちょすることがあるとの指摘もされております。

 また、さらに、特別養子縁組の成立の審判手続が養親となる者の申立てによることとされておりますことから、例えば児童虐待等をした実親が特別養子縁組に同意していない場合など、養親となる者が審判手続において実親と対峙して、実親による養育が著しく不適当であること等を主張、立証していかなければならない。そういうことのために養親となる者がやはり申立てをちゅうちょすることがあるとの指摘がされております。

 そこで、今回の改正案でございますけれども、特別養子制度の利用を促進して、家庭的な環境のもとで養育をすることが適切な子供がその必要に応じて制度を利用することができるようにするために、養子となる者の年齢の原則的な上限を引き上げるとともに、その審判の手続の合理化をするというものでございます。

石原(宏)委員 ちょっと重なってしまうかもしれないんですけれども、今、最後に御説明がありました、特別養子となる手続が今度、二段階の手続になって、第一弾は特別養子適格の確認の審判、第二弾は特別養子縁組の成立の審判の二段階に分けられておりますけれども、ちょっとかぶってしまいますけれども、この二段階に分けた理由を御説明ください。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 特別養子縁組は、実親による子の監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情がある場合に成立させることができるものでございますが、現行法のもとでは、この要件に該当するか否かは、家庭裁判所の最終的な審判において初めて明らかにされることになります。このために、仮に養親となる者の試験養育が順調に進んだとしましても、最後に家庭裁判所が特別の事情の存在を否定して縁組の成立を認めないという事態が起こり得るわけでございます。

 また、現行法のもとでは、養親となる者が実親による子の養育状況について事実上立証しなければならない、また、手続において実親と対峙しなければいけないという場合もございます。また、さらに、養親となる者の本籍ですとか住所が実親に知られてしまうという問題がございます。そのため、例えば児童虐待等があったような場合に、養親となる者の負担というものが小さくないわけでございます。

 そこで、この法律案では、この問題に対応するために、御指摘のとおり、成立手続を二段階に分けておりまして、まず第一段階の手続においては、実親に関する要件、すなわち実親による子の監護が著しく困難又は不適当であるか、あるいは実親の同意があるかといったような要件について審理をして、第二段階の手続については、専ら養親に関する要件、すなわち養親の監護能力ですとか、あるいは養親子の適合性を審理することとしております。

 こうすることによりまして、養親となる者は、第一段階の審判によって子供が特別養子の対象となることが確定した後に、安心して試験養育などの手続を進めることができるようになります。

 また、この第一段階の手続につきましては、児童相談所長にも申立て権を付与することとしておりますし、また、養親となる者が申立人になる場合でも、児童相談所長が手続に参加することができることとしています。

 また、さらに、第二段階の手続では実親を関与させないこととしておりますので、こういったことから、養親が実親と対峙しなければならなくなる事態を回避して、あるいはまた、養親となる者の本籍や住所が実親に知られないようにするということが可能となります。

 このようなことから、手続を二段階に分けているものでございます。

石原(宏)委員 次に、先ほど質疑の中で、今回の制度の見直しで特別養子となられる養子候補者の上限年齢が六歳未満から十五歳未満に引き上げられること等によって、どのぐらい、年間五百件というのがどのぐらいふえるかという質問がありましたけれども、その推定は法務省の方はしていないということだったんです。

 ちょっと同じような質問になってしまうかもしれませんが、厚労省にお聞きしたいと思うんですけれども、直近の数値で、里親、また児童養護施設、乳児院、児童心理治療施設、児童自立支援施設、母子生活支援施設、ファミリーホーム、自立援助ホーム等に、何歳ごとにというのを統計をとられていると思うんですけれども、今回の法の改正によって特別養子になることができる方が六歳未満から十五歳未満になりますので、ゼロ歳から十四歳の子供が何人ぐらいいるのか。

 先ほど、児童養護施設の人数というのは二万五千という話がありましたが、平成二十五年の数字を国会の調査室のを見ると二万九千人になっていて、もしかすると十四歳未満で計算されているのかなと思ったんですが、どれだけおられるのか。

 何を言いたいかというと、ゼロ―十四歳の方が対象になってくるので、この中からどのぐらいなる可能性があるか。多分、それは法務省と同じように厚生労働省も推定はされていないと思うんですけれども、ちょっとその規模感を知るために教えていただけますでしょうか。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 ゼロ歳から十四歳の子供で、里親に委託し、あるいは施設等に入所している子供の数でございますけれども、年齢別の状況が、五年ごとの調査で把握をしているものですから、直近のデータが平成二十五年二月一日現在の調査によるものとなります。

 この調査結果によりますと、ゼロから十四歳の子供の数、合計でいいますと三万六千三百四十二人。このうち、里親に委託している子供が三千三百八十八人。以下、施設に入所している子供の人数になりますが、児童養護施設では二万千八百八十五人、乳児院三千百四十七人、児童心理治療施設九百十五人、児童自立支援施設九百五十六人、母子生活支援施設五千四百六十八人、ファミリーホーム五百八十三人というふうになっておりまして、合計三万六千三百四十人という人数になっております。

 なお、本調査は五年に一回実施をしておりまして、平成三十年二月一日現在の調査がちょうど今現在集計中というところでございます。

石原(宏)委員 ちょっと順番を変えますけれども、法務省にお聞きしますけれども、私の事前のレクでは問い十なんですが、今回、六歳未満から十五歳未満になるんですけれども、ケースによっては十八歳未満まで特別養子になる可能性があるので、十八歳未満で、現行制度の中で年間どのぐらいの方が普通養子縁組となっているのか、数字がわかれば教えていただけますでしょうか。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 十八歳未満で普通養子となった人数については、統計はございません。

 ただ、未成年者で裁判所の許可を得て普通養子となった人数は、最高裁判所の調査によりますと、平成二十八年四月から二十九年三月までの一年間で四百八十人ということでございます。

石原(宏)委員 特別養子で五百人前後で、それで普通養子縁組でも四百八十名という、まあ、千名ぐらいの方が、年間、未成年でなっているということではないかと思います。ちょっと規模感で、済みません、確認をしたかったので質問をさせていただきました。

 それで、法務省にお聞きしたいんですけれども、今回の制度で、実親の同意がなくても、実親が子供を育てる資力がなかったり、また、暴力の危険性があった場合、虐待の可能性があった場合、特別養子適格の確認の審判が認められて、さらには、その暴力を振るっているような実親の抗告があってもその特別養子適格が認められ続ける可能性、特に、虐待に遭っている子供なんかは、これが実親からの抗告があっても認められ続けて、特別養子縁組がかなう必要性があるんじゃないかと私は思うものですから、そういう可能性があるということでいいのか、ちょっとお答えいただけますでしょうか。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 特別養子適格の確認の審判がされるためには原則として実親の同意が必要でございますが、例外的に、御指摘のとおりの虐待、悪意の遺棄その他養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合等には、実親の同意がなくてもその審判をすることができるとなっております。

 実親が子供を育てる資力がないケースにおきましても、そういった、資力がなくなるに至った理由ですとか監護状況に照らして、悪意の遺棄等に該当すると認められる場合には、実親の同意がなくても特別養子縁組の成立が認められるということがございますし、また、暴力の危険性があるケースにおきましても、その状況に照らして、虐待等に該当すると認められる場合には、同様に特別養子縁組の成立が認められます。

 また、以上の点は、実親によって抗告がされた場合であっても同様でございます。

石原(宏)委員 特別養子となる子供が十五歳以上の場合も、特例で特別養子縁組が認められるケースがあります。その場合は本人の同意を求めることになりますけれども、特別養子縁組の場合は、実親との関係がなくなり、相続権もなくなります。

 そのような点を、例えば、特別なケースで十五歳以上の子供の場合、同意を得なければいけませんから、相続権がなくなるといったような事実、そういう法的な事実というのをちゃんと、その同意を求める十五歳のお子さんに対して同意を求める際に確認をするのか。

 また、ケースによっては、普通養子縁組であれば、両方の、実親と養親の両方から相続権を持つことができますから、そっちの方が将来的な相続権みたいなことがあると有利になることもあるかもしれないので、そういう十五歳以上のお子さんの同意を求めるケースの場合、ちゃんとそういう法的な事実というものを説明するのか、説明をして同意を求めるのか。また、その説明をして同意を求める方は裁判所のどういう立場の方がやられるのか。教えていただきたいと思います。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、特別養子縁組が成立いたしますと、実親子関係が終了して、相続権を失うなどの重大な効果が生じるわけでございます。

 このことからいたしますと、家庭裁判所は、十五歳に達した養子となる者が特別養子縁組の成立について同意をしている場合には、その同意が普通養子縁組との違いや相続を含む親族関係の終了といった特別養子縁組の法的効果を的確に理解した上でされていることを確認する必要があるものと考えられます。

 そのため、事案ごとの判断にはなりますものの、家庭裁判所、具体的には例えば家庭裁判所の調査官などが想定されるわけでございますが、同意の有無を確認する過程で、普通養子縁組との違いあるいは相続を含む親族関係の終了といった特別養子縁組の法的効果を説明することになるものと考えられます。

石原(宏)委員 法務委員会に来まして、串田委員から離婚された親子の親権の話がずっと一般質疑の中でも話されている中で、それをちょっと考えながら、今回の件でちょっと気になったことがあったものですから、ちょっと御確認をさせていただきたいんです。

 夫婦が離婚をして、その後、例えば奥様が再婚し、新しい夫とお子さんが特別養子縁組を結ぶ場合、まず、離婚した夫の同意が必要ではないかと思うんですが、その同意が必要なのか。

 また、もし離婚した夫の方が同意をした場合、例えば養育の支払いの義務とかはなくなるのか。また、例えば、串田委員なんかは、合意をすれば両親の親権みたいな話があるわけですけれども、その親権というのはなくなってしまうのか。また、面会権みたいなものも、そういう権利もなくなってしまうのかどうか。

 ちょっと気になったものですから、教えていただければと思います。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 実父母が離婚しまして、例えば実母が再婚をした場合でありましても、子供とその実母の再婚相手が特別養子縁組をするためには、原則として実父、実の父の同意は必要でございます。これは、あくまでも離婚しても父であることには変わりはございませんので、やはり実父の同意は必要でございます。

 他方で、養育費の支払い義務ですとか、あるいは子供との面会交流につきましては、これは法的な親子関係を前提とするものでございます。したがいまして、子供と実母の再婚相手との間の特別養子縁組が成立しますと、その実父との法的な親子関係が終了いたします。したがいまして、このように親子関係が終了いたしますと、実父は養育費の支払い義務を負うことはなくなります。また、子供との面会交流を求めるということはできなくなるというものでございます。

石原(宏)委員 ちょっとその点、面会交流の約束をしたのに会わせないようなケースがある中で、もしかすると、こういう形で十五歳とか十八歳となってくると、法的な知識があると別れた奥さんがこういうことをやってくることもあるのかなと思って、今までのこの法務委員会の議論の中でちょっと気になったんで、その点、確認をさせていただきました。

 まだ時間があるんですけれども、大分質問が消化してきてしまっているんで、ゆっくりとやりたいと思います。

 この衆議院の調査局の資料の中にも載っていなかったんですが、インターネットなんかを見ていると、養親となる方々、夫婦ですね、受け入れることは配偶者も認めなければいけないと思いますので、インターネットなんかを見ていると、所得の制限はない、所得の下限はないと。私なんかは、銀行員なものですから、余り低所得の方が果たして養親になれるのかなとちょっと疑問に思ってしまうことがあるんですけれども、そもそも、所得の下限みたいなものが養親となる方々にあるのかないのか、そして、もしないのであれば、ではどのような観点から養親となることを家庭裁判所は認めるのか、説明のできる範囲で教えていただければと思います。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 民法におきまして、特別養子縁組における養親となる者について、所得の下限を定めるような規定はございません。

 もっとも、特別養子縁組は養子となる者の養育のための制度でございますので、養親となる者が適切な養育能力を有していない場合には、これは縁組を成立させることはできないわけでございます。したがいまして、養親となる者の養育能力、こういった観点から、この縁組を成立させるかどうか、こういった判断をする際には養親となる者の経済状況も考慮されることとなります。

 ただ、具体的にどの程度の経済状況というものが必要なのかどうかといいますのは、やはり個別の具体的なケースに応じて、本当にその養子を今後養親となる者が育てていけるかどうか、そういった個別の事案に応じて裁判所の方で適切に判断していくということになろうかと思います。

石原(宏)委員 今のことに関連して、今度法改正がなされると、先ほどもちょっと御質問させていただきましたけれども、十五歳以上の子供もケースによっては特別養子になることができるわけですけれども、そのときには、先ほども質問させていただきましたけれども、十五歳以上のお子さんに対しては同意を必要としているんです。

 先ほどは、普通養子と特別養子の違いなんか、また相続権の話なんかということをちゃんと調査官が説明をするという御回答をいただいたんですけれども、ちょっと適切かどうかわからないんですが、十五歳以上で十八歳未満の同意を得なければいけないお子さんに、養親の、この養親は所得は大体このぐらいですよとか、この人は持家を持っていますよとか、そういう情報も、十五歳以上十八歳未満のお子さんで判断を、同意をするということになれば、何か判断材料としては、私は個人的には、知ってもいいんじゃないかなと。ある程度意識も持っているので、いいんじゃないかなと思うんですが、こういう養親の所得とか持家の状況等、そういう経済的な状況について、十五歳以上十八歳未満のケースの場合、先ほど言った家庭裁判所の調査官が説明をされるんでしょうか。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、養子となる者が十五歳に達している場合には、特別養子縁組の成立には養子となる者の同意が必要でございます。また、この同意といいますものは、やはり真摯な同意であるということは必要ではございますが、必ずしも養親の経済状況等を知っていなければこの同意ができないというようなことではない、知っている必要はないというふうには考えられます。

 したがいまして、家庭裁判所において、養子となる者に対して養親となる者の経済状況を詳細に伝える必要はないものと考えております。

 ただ、例えばでございますけれども、養子となる者が養親の経済状況等を誤認しているというような場合には、事実関係の誤認がないように必要な事実を伝えていくということによって、先ほど申し上げました真摯な同意であるかどうかということを確認していくことになるものと考えられます。

石原(宏)委員 済みません、小野瀬局長。もし、十五歳以上のお子さんがそういうことを調査官に教えてくださいと言ったら、それは教えなければいけないんでしょうか。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 なかなか、これはケース・バイ・ケースで、どこまで詳細かということになろうかと思います。

 例えば、やはり家庭裁判所の調査官において、どこまで、今申し上げました、養子となる者、子供が例えば誤認しているのかどうかとか、あるいは、どこまでの説明をすればその同意がやはり真摯なものというふうに言えるかどうか、そういったことを個別具体的なケースに応じて適切に判断していくことになろうかと思います。

石原(宏)委員 ありがとうございます。

 時間も大分たってきましたので、最後に、特別なケースの場合は特別養子縁組の年齢上限を十八歳未満まで可能にしておりますけれども、なぜ二十歳未満とか、そういうことではないのか、十八歳未満というふうになったのか、この理由を教えていただきたいと思います。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 この法律案におきましては、特別養子縁組が成立するまでに十八歳に達した者は養子となることができないこととしております。

 これは、特別養子制度が専ら未成年を家庭的な環境において養育するための制度であるということを一つの理由とするものでございまして、未成年者につきましては、令和四年四月一日には成年年齢が十八歳に引き下げられるということから、先ほど申し上げました特別養子制度の趣旨に照らして、十八歳に達した者は養子となることができないということにするものでございます。

石原(宏)委員 ちょうどあと残り四十五秒になりました。

 私、個人的に思うのは、養子というのはどんどんどんどん世の中が受け入れていった方が、世の中にとってはすごくいいんじゃないかと思うんです。ただ、やはり先ほどから数字で児童施設にいるお子さんが多いという中で、ぜひ、法務省、厚生労働省、いろいろな団体も使っての社会的に啓蒙活動をしていただいて、本当に養子というのが当たり前だというような世の中にしていっていただきたいなと思います。

 私は、先ほどお話をしたように、祖父の最初のお子さんのケースとか、おじさんの養子になれと言われたようなことがあったんで抵抗感がないんですが、ぜひ、多くの方々が抵抗感のないような社会にしていただければと思います。

 そのことだけ申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

葉梨委員長 以上で石原宏高君の質疑は終了いたしました。