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原子力政策・エネルギー政策

更新日:2021年2月17日

河野太郎衆議院議員(現国務大臣)の日本の原子力政策に関する問題点をバックグランドにして、私の考える原子力政策並びに今後のエネルギー政策に関して記述します。

日本では、原子力発電のエネルギー源となるウランが、発電により、使用済核燃料となり、それを海外(フランス等)で再処理してもらい、プルトニウムと高レベル放射性廃棄物に分離されています。

国際社会の約束として、使用済核燃料は2028年までに、安定的な保管方法(地中に埋める等)で約100~200年保管することになっていますが、世界の国々では、日本の様に再処理は殆ど行われていません。河野議員は、世界の各国同様、使用済核燃料での保管に止めるべきと主張しているのです。

日本の原子力行政は、再処理され抽出されたプルトニウムを高速増殖炉で再度、発電に使用するという世界で唯一の試みです。これを「核燃料サイクル」と呼びます。そして、高速増殖炉による発電ではプルトニウムが再度、1.002倍程度発生することから恒久的エネルギー源を日本が確保出来るというものです。しかし、高速増殖炉の実験炉もんじゅの廃炉が決定されたため、高速増殖炉による「核燃料リサイクル」がいつ行われるかは不透明な状況です。その結果、2019年末時点で、45.5トンものプルトニウムが抽出され、六カ所村、各原発、JAEAで8.9トン、海外(仏・英)で36.6トン保管されているのです。

河野議員は、北朝鮮がウランから核爆弾のエネルギー源となるプルトニウムを50㎏抽出しただけで、大問題になっているのに、日本では軽微な警護で8.9トン以上ものプルトニウムを所有していることに問題提起をしています。

河野議員曰く、日本の原子力行政の
第一の矛盾は、もはや、この高速増殖炉による恒久的エネルギー源の確保、核燃料サイクルという計画事態が実現不可能ではないかというものです。

第二の矛盾は、かつて、54機の原発により、毎年1000トンもの使用済核燃料が発生しており、この保管スペースが不足していた点を挙げています。
一時、原子力発電所内の使用済核燃料のプールに余裕がなくなり、六カ所村の使用済核燃料保管プール(再処理のための原材料としてのプール)(管理容量3000トン、2020年12月末時点保管量2,968トン)に移設されました。その際、青森県知事が本当に、この使用済核燃料が使用されるのか疑義を唱えました。政府は、六カ所村に再処理工場を立ち上げるので、必ず使用されると青森県知事を説得しましたが、六カ所村の再処理施設は現状、稼働していません。
六カ所村への使用済核燃料の移送により、2020年12月末時点で、原子力発電所内の保管プールの管理容量21,250トンに対し貯蔵量は16,180トンとなり約5000トン余裕があります。原発が今後、再稼働した場合、充分な余裕が無く、2020年頃に現在計画されている対策を中心に+4,000トン程度、2030年頃に+2,000トン程度、合わせて+6,000トン程度の使用済燃料貯蔵対策を目指しています。

第三の矛盾は、日本の原子力政策で、2019年末時点で、海外も含めて45.5トンまで増えたプルトニウムを少しでも減らすために、ウラン9、プルトニウム1の割合のMOX燃料による原子力発電を行おうとしていますが、そのために何兆円もの資金を費やすよりは、ウラン鉱山を買収した方が効率的であるという矛盾があるのです。

以上の矛盾点から、河野議員は、現在の全ての原発を耐用年数40年とすれば、2050年に全てが廃炉になるため、その間に、省エネにより電力使用量を削減し、極力、再生可能エネルギー(太陽光発電、風力発電、地熱発電)に代替し、不足部分は天然ガス発電に移行してゆくべきと提言しているのです。

CO2を多く排出しない原発に代わる安定的なベース電源については、地熱発電が挙げられます。国立公園内での地熱発電についても環境省が制限を緩め容認する方向となったため、地熱発電量を拡大することが望まれます。(フィリピンやケニアでは地熱発電がベース電源となっている) 

また、2019年4月に施行された「海洋再生可能エネルギー発電設備に係る海域の利用に関する法律(洋上風力発電のための法律)」により、2021年6月に長崎県五島列島で、2021年12月に千葉県、秋田県にて入札が行われ、洋上風力発電の商業化がスタートします。
2020年12月には環境省の「令和2年度浮体式洋上風力発電による地域の脱炭素ビジネス促進事業委託業務(地域調査業務)」に私の選挙区の大島町を含め6地域が選ばれ、更なる洋上風力立地調査も進み、洋上風力発電の拡大が期待されているのです。

電力コストに関して、河野議員は、原子力発電のコストが安いとのエネ庁の試算に、高速増殖炉のコストや、六カ所村の再処理施設のコスト、MOX燃料使用原子炉のコストの問題が含まれているか疑義を唱えられ、更に、太陽光発電のコストも普及により削減される可能性があると主張しています。
電力コストを再生可能エネルギーの普及でどれだけ削減出来るか明確な答えはありませんが、増え続ける使用済核燃料、プルトニウム、高レベル放射性廃棄物のことを考えると、原子力発電への依存を引き下げるべきであると私も考えます。

但し、原子力発電を全て止める場合、原爆や原子力潜水艦を日本が自らの力で作る技術を失うという安全保障上の問題も私はあると思います。また、電力コストの上昇による日本の産業の国際競争力の低下の問題も重要であると考えます。かつて、みずほ総研は、2011年、貿易収支が赤字に転落した原因のうち、原発停止によるLNG輸入増によるマイナスが▲1.9兆円あり、この様な点も配慮する必要があると考えます。更に、使用済核燃料の管理能力を維持するためにもある程度の原発の稼働は必要に思えるのです。

只、繰り返しになりますが原発による廃棄物の増加を考えれば、原子力技術を維持出来る最小限の原発数(10~20機)に、河野議員のいう様に、今後40年~50年間で縮小均衡させていくことは、今後のエネルギー政策として重要であると私は考えます。実は2021年2月5日時点で、24機の原発が廃炉となっています。九州電力の川内原発の2機、玄海原発の2機、関西電力の高浜原発の2機、大飯原発の2機、合計8機が稼働中ですが、2020年1月の広島高裁の運転差し止め仮処分決定により停止中の四国電力の伊方原発の1機、原子炉設置変更が認められた炉(7機)と、新規制基準への適合性審査中の炉(11機)を合計しても、稼働の可能性がある原子炉は、現状、27機なのです。現実に私の考える将来像に近づいているのが現状です。

【原発の現状】(2021年2月5日時点)

  • 稼働炉 9機(但し、伊方原発の1機は広島高裁の運転差し止め仮処分決定により停止中)
  • 原子炉設置変更が認められた炉 7機 
  • 新規制基準への適合性審査中の炉 11機
  • 適合性審査未申請の炉 9機
  • 廃炉もしくは廃炉を検討 24機

2016年4月1日から、電気料金の完全自由化が実施されました、発送電分離も着実に進められます。今後、家庭での電力料金を引き下げるためには、スマートメーターの普及が私は不可欠であると考えます。スマートメーターは、電力の時間別の使用量が把握出来る仕組みで、夏の日中、電力使用量を減らせば、電力料金が安くなる等の対応が、家庭でも可能になります。各社のスマートメーターの普及状況は以下の通りであり、着実に進めることで、家庭の電力料金の引き下げが2020年代初頭には可能となるのです。

最後に、資源エネルギー庁が進めるメタンハイドレードの商業化(2027年)を直実に進め、日本、自前のエネルギーを所有することは、安全保障上も、海外との液化天然ガス(LNG)の価格交渉を有利に進めるためにも、必要不可欠な課題であり、前進させてゆく必要があると私は確信します。